新・永山あゆむの小さな工房　400字小説　タイムマシーン



中学生の頃、私は、オタクなお兄ちゃんの影響からか、タイムマシーンに乗ることに憧れていた。　――だって、過去をやり直せるから。　私の周りで起きた悲しいことが、嬉しいことに上書きされる。どんな人生も幸せになれる。純粋に、素敵なことと思っていた。　だけど……、「行こう、ネオ！」「みんなが俺たちを待ってるっスよ！」「暴れましょう、ネオさん！」　――タイムマシーンで運ばれたような、私に宿っているこの『感情』たちは、ビートに乗せるために、必要だった。　今、この時が、大切な時間であるために。　この瞬間が楽しいと、ありったけの想いを歌にぶつけるために。「うん！　ぶつけに行くわよ！」　メンバーを引き連れて、私は駆け上がる。　私が私である、輝く場所へ。
＜ライナーノーツ＞ 400字小説に、長編小説「moonlight」で活躍している、moment'sのメンバーを登場させていただきました。ネオとみちるは過去にでていますが、メンバーで出たのは初めてですね。今回は11月も間近で、学園祭シーズンということで、ライブ直前の舞台ウラをお話にしてみました。設定的には、moonlightが終わった1年後の文化祭をイメージしています。今までやってきた集大成をぶつけるって感じですね。　長編小説「moonlight」で、小学生時代に親友からいじめを受けたり、色々と悲しい過去があったりするネオですが、その時々であった色々な『感情』は、自分を表現するうえで必要なことであって、それは、相手に伝えるために必要なスパイスであった・・・・・・人間、楽なことばかりじゃないですよね。タイムマシーンがあったら、私も色々と過去をやり直したいですよ！(笑)でも、そういった喜怒哀楽があるからこそ、最後はすべてが楽しかったと、卒業前に言えるんじゃないかなと。だからこそ、学生時代の『青春』というのは、忘れられない輝きを感じるのだと思います。　俺もあのころに戻りたいなあー(笑)。 <2016.10.31>
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