永山あゆむの小説・シナリオ創作ホームページです。
「ねぇ、私って何が『私』、なのかな?」 「どうしたのよ、急に」 「だってさ、毎日毎日仕事をしてさ、理不尽な事ばっかで、正しい事をしたのに、上司に難癖つけられて、怒られて、あーもう!」 「本当、お人好しだよね、あんた」 「悪かったわね。はあー、人の動きばかりに目がつくなんて、本当、嫌になるわ」 「お酒を飲んで、スパッと忘れなさいよ。「私は私!」でいいじゃんか」 「私は、私……か」 「自分らしさを偽ってまで続けたら、心砕けるだけよ。そりゃあ、表現の仕方は人それぞれだけどさ、どんな立ち位置にいても大事なんじゃないの」 「要するに、我慢は毒、ってこと?」 「そう」 「……そうだね」 「たまには吐いてもいいのよ」 「うん。少し、軽くなった」 |
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<ライナーノーツ> 久しぶりに会話だけの400字小説を作りました。リアルな会話になっているなあと、我ながら思います。節目の20作目がこんな形でいいのだろうか(笑)。 最近、東京で仲良くなった方と食事をして、同い年なんですけど、すごい居心地が良くて……。仕事柄、目上の人としか会わないからでしょうか、気が楽で、自然と本音も話せたりと。なんか、安心できたんですよね。そういう環境があることに。皆さんにもそういう『居心地のいい環境』ってあるかと思いますが、こんなふうに話せる空間って、本当、大事なことだと思います。ストレス解消にもなるし(笑)。そんなことを思いながら、400字小説で表現してみました。 設定としては、金曜日に仕事が終わり、女子二人で行きつけのお店で食べていて、主人公の子は仕事がうまくいかず、人の視線ばかり気になって自分が視えなくなり、モヤモヤを吐き出す場所も分からない不器用な女性。お相手の友達は自分を大事にして、仕事とプライベートの区別をしっかりしている女性、という感じです。 「あたりまえじゃん!」と思う方もいるかもしれませんが、やっぱりこういう、ちっぽけな悩みまでも素直に打ち明けられる友人は、大切にしたいですね。 <2016.12.19> |
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