永山あゆむの小説・シナリオ創作ホームページです。
この国の中心に、『幸せの塔』たるものが建っている。政府に認められた者だけが入ることのできる、幸せを約束された、夢見る理想郷。 しかし、そこに住む者は、塔に入ったという権力に溺れた愚かな者たちの集まりだと、流浪者の俺には人選差別をしているように視えた。 塔の中心から離れた街の人々は、貧困や災害に苦しむ毎日。しかしそれを、塔にいるものは「で、何?」と傍観するだけ。政府も中心を守り、外は犠牲にする。果たしてそれは国としての幸せなのか? 国が、そこに生きる人が、一つの金色の輪にならずして、幸せなんて訪れない。じっとしたままでは変わらない。 この国を変える衝動――弱き者たちが吠えるまで、俺はここで支えよう。 暁天の空が、新しいはじまりの光となる、その時まで――。 |
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<ライナーノーツ> 今回は、自分にとってはかなり挑戦的な400字小説となりました。 これを書くにあたり、『幸せの塔』というワードから色々と構想を練った結果、このようなかたちになりました。今の世の中と少し重なるような形で書いてみましたがどうでしょうか? このお話では革命の狼煙をあげるかのような大きなものになっていますが、小さなことから手を取り合い、支えあうことから、幸せというのはちょっとずつ形作られていくものだと思います。 <2017.09.03.> |
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