永山あゆむの小説・シナリオ創作ホームページです。
「まーたここに来ちまった」 眠りにつくと開く、感情で彩られる世界。 目の前には、青い海と空が広がっている。 「壮健で何よりだ」 「っ! じーさん!」 突然隣に現れる、賢そうなじーさん。この世界の守り人だ。女の子ならいいのに。 「毎回毎回びっくりさせんなよ」 「油断しすぎじゃ。波が大きくなったわい」 「じーさんのせいだろ……」 この世界では、油断も隙もままならない。 「本当、感情って素直だよなー」 「鏡そのものだ。だから、逆のことを口で言えば、それは自分に帰結する」 「自心損傷(ストレス)になるってことか?」 「さよう。毒に冒されるのは必然じゃ」 「好きなのに嫌いっていうのと同じ、か」 「或るがままの心が、大事なんじゃよ」 「……人間(オレ)たちって、ひねくれ者だな」 「ふふ、そうだな」 |
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<ライナーノーツ> 久しぶりにファンタジー色を前面に出した400字小説にしてみました。400字小説初の連作形式です。お話し自体は1話ごと完結しています。「感情」という難しいテーマを軸に物語を書きましたが、色々と考えた結果、「素直に伝えるのは大事なこと」というものとなりました。感情というのは自分の核であって、本心を写すものだと思うんです。それをEmotion worldということで、感情を表現する世界として主人公に来ていただきました。穏やかであれば好きな風景が、悲しいことがあれば悲しい風景が現れる、とてもストレートな(笑)世界です。 社会の中で、自分の意見を押し殺したり我慢したりと、きちんと折り合いをつけることも大事ですが、子供のように素直に伝えることは、大人になっても必要だと思うんです。我慢することに慣れてしまうと生き苦しくなるし、自分に嘘をつくのは自分自身に帰ってくる。それは本当にもったいないことです。言わなければ自分がどう思っているのか理解できない部分もあると思うし、フォローだってできない。それは友人・知人にも同じことが言えると思います。 知ってもらうというのは自分の理解者を増やすことにつながると思いますし、背中を押してくれる存在になってくれる。素直になるということは、自分にはばかる困難を乗り越えられる、一種の救難信号なんだと思います。力になってくれる人はたくさんいるはず。知ってもらうこと、それは自分自身を輝かせる素敵なことです。 後編は別のアプローチで制作中です。お楽しみに。 <2018.04.15.> |
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