新・永山あゆむの小さな工房 タイトル

永山あゆむの小説・シナリオ創作ホームページです。

 
<登場人物> 

・井吹海斗(16)いぶきかいと。主人公。男性。普通の高校2年生。いつも眠たそうな顔をしている。

・幹田涼(16)みきたりょう。男性。高校2年生。海斗の友人。惚れっぽい。

・永瀬なぎさ(16)ながせなぎさ。女性。高校2年生。海斗の幼なじみ。




〇学校 学生棟二階 二年一組(朝)

 『ラノベ星人』のつづき。

 身体を揺さぶる幹田涼(16)の頭を叩く、井吹海斗(16)。

 海斗、不機嫌そうに、

海斗「てめえ、いきなりなにすんだよ」

 頭に大きなタンコブができ、床に手と膝をつく涼。

涼「だって、だって、俺だってがんばっているんだぜ。パーマをかけて髪型を変えたり、キメ台詞を練習したり、くどき文句を極めたり……」

 海斗、遠い目で、

海斗「言ってることがキモいぞ、オマエ」

 涼、天に向かって祈るように、

涼「ああ……なんで、なんで神様は、俺たち人間を平等にしなかったのですか? 勝ち組と負け組という社会を作ったのですか? 越えられない壁を作り過ぎですよ……!」

 海斗の隣にいる永瀬なぎさ(16)、海斗の方へと顔を向けて、

なぎさ「どうしたの?」

 海斗、あきれたように、

海斗「俺に聞くな」

 涼、床に手と膝をついて、

涼「このまま青春を謳歌できないまま、俺は卒業してしまうのでしょうか……」

海斗「おーい、芝居はそこまでにしろー」

 涼、海斗に泣きつきながら、

涼「うるへー! この勝ち組がぁーっ!」

なぎさ「涼くん、泣かないで」

涼「な、なぎさちゃん」

 涼、涙ぐんだ目でしずくを見つめる。

 なぎさ、笑顔で、

なぎさ「みんな、キモイと言ってるから!」

涼「……!!」

   真っ白になり、身体が固まる涼。

   涼の右肩に手をのせ、ため息つく海斗。


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