▲
このWebサイトはJavaScriptを使用しています。
永山あゆむの小説・シナリオ創作ホームページです。
「ネオのせいで入学式早々遅刻じゃない!」 「いいじゃん、入学式は遅刻がつきものよ!」 傾斜のある、高校の桜並木の長い坂道を走る、麻倉音緒(あさくら ねお)と舞永朱莉(まいなが あかり)。 「良くないわよ、ああー、もうだめ……どんだけ続くのー」 息を乱し、その場でへたり込む朱莉。 「あかりん見てよ!」 「え?」 ザーッ、と鳴く強い風。桜吹雪の中で、ネオは花のように両手を広げる。彼女を迎えるかのように、桜が舞う。 「綺麗……」 「うん、風が、私を包んでる。わたしに響けって言ってる。あかりん、急ぐわよ!」 「ちょっ、ねぇ、まってよ、ネオー!」 ハルの音(おと)が、ネオの鼓動を強くした。 ーー音が、学校が、みんなが、わたしを待っている。
Tweet