「ついにやってきたぞ―――っ!」
羽田空港のゲートを抜けて、新天地への一歩を踏み出したオレは、右足を強く床に叩きつける。
憧れ、夢見た場所――東京。故郷で凡愚(ぼんぐ)な生活をしてきたオレは、これからガラリと変わる生活に、胸躍る黄金の思いと同時に黒い不安が交錯(こうさく)していた。
これからどんなことが起こるのだろう。オレを待ってくれる人どんな人なのだろう。今はまだ分からないものが、せめぎ合っている。
でも、そんなもんだ、とオレは思う。誰だって新しい場所に行けば、ドキドキすることはやめられない。
前に出ないと、物語は進まない。
「行こう」
今までの現実を壊し、夢を目指す未来の道を辿るため、オレは、一歩、二歩と進みはじめた。
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