「やってるやってる」
私は朝、日課にしていることがある。
「はあっ!」
岩国総合高校のテニスコートからパコーン! と澄んだ空に心地いい快音(かいおん)を残す。
「くそっ、もう一回!」
ユニフォームを着た男子生徒――幼なじみの小倉優太(おぐらゆうた)が、カゴにあるボールを取り出し、再びサーブを放つ。
中学の時に、自分のミスで県大会に出られず挫折していたけど、仲間のおかげで再び彼の背中を見ることができ、私は内心ホッとした。この日課が、私の生活の一部だったから。
――普段はボケッとしているくせに、頑張ってる姿は輝きすぎなんだから。だから、連れてってよ。中国地区大会、そして全国まで。私も歌で応援するから。バカ優太。
「おっ、来ていたのかネッチー」
「ネッチーじゃない! ネ・オ!」
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