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永山あゆむの小説・シナリオ創作ホームページです。
駅ビルの屋上から見える新幹線が、彼を遠くへ運んでいく。 ――初めて会った印象は、最悪だった。 ソフトテニスの朝練をしていたわたしを挑発し、格が違うんだと言わんばかりにテクニックを見せつける彼。今思えば、「つよがり」だったのかもしれない。 そのおかげで、陰を潜めたわたしは、いつの間にかいなくなった。 だけど、最後の最後でこの状況。 ほんと最悪。引っ越す彼に最後の言葉が、なんで「またね」なのよ。最悪すぎ。 わたしはまた、陰を潜めてしまった。 「わ―――――――――っ!!」 駅ビルの屋上から、ぐちゃぐちゃにした紙のように、わたしは想いを声にした。 さようなら、嘘つきな私。 さようなら、私の想い出。 ありがとう、私の好きな人。 心が、ゆらり、ゆらり、と揺れている。
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