新・永山あゆむの小さな工房 タイトル

永山あゆむの小説・シナリオ創作ホームページです。

おまけ(その1):<after>一歩前進?
<登場人物>

・麻倉音緒(18)あさくらねお。主人公。同好会バンド『moment's』のリーダー。女性。高校二年生。

・小倉優太(18)おぐらゆうた。音緒の幼なじみでクラスメイト。男性。高校二年生。
・舞永朱莉(17)まいながあかり。音緒の友人。女性。高校二年生。
・七瀬楓華(17)ななせふうか。音緒の友人。女性。高校二年生。
・竹下実緒(17)たけしたみお。音緒の友人でクラスメイト。女性。高校二年生。
・仲須蒼士(18)なかすそうし。朱莉の彼氏(?)。男性。高校二年生。





○周防大島 楓華の別荘:砂浜(夏(八月))

 砂浜と海を照りつける太陽。

音緒「海だぁーっ! ひゃっほー!」

 ビーチボールを持ったまま、海に向かって砂浜を走る麻倉音緒(18)。舞永朱莉(17)に選んでもらったビキニを着ている。

朱莉「そうちゃん、いっくよー!」

蒼士「ちょっ、手、引っ張らないでー」

 仲須蒼士(18)、朱莉に引っ張られて海へ向かう。二人とも水着を着ている。
 砂浜の方から水着を着た小倉優太(18)が大きな声で、

優太「はしゃぎすぎてケガすんなよー」

楓華「小倉君」

 水着を着た七瀬楓華(17)が優太のところに。ビーチパラソルを持っている。

優太「七瀬」

 楓華、申し訳なさそうに、

楓華「ごめんね。強引に付き合わせて……」

優太「別にいいよ。テニスも引退してちょうど暇だったし。パラソル立てようか?」

楓華「え? うん、あ、ありがと」

 優太、ビーチパラソルを立てながら、

優太「音緒が強引に決めたんだろ、今回のこと」

楓華「うん。みんなと思い出を残したいって」

優太「アイツらしいな。長里が来れないのは残念だけど」

楓華「うん、東京に行ってるみたい」

優太「そっか……よし、準備完了」

   パラソルが開く。
   楓華、パラソルの影の下に座る。
   優太、楓華の隣で寝そべり、

優太「ふう、影に入るだけで、こんなに楽になるなんてな」

楓華「それ、太陽の下で、真っ黒な顔でテニスしか考えてなかった人が言う?」

優太「ほっとけ。テニスを引退してから、少しは色々なものが見えるようになってきたんだよ」

楓華「成長したわね」

優太「だろ?」

楓華「別に褒めてないわよ」

優太「なんだよ、それ。……テニス終わったらさ、テニス以外のことで、少しは遊んでいたけど、それ以外に何もないと思ったら、ちょっとつまらないなと思ってさ……」

楓華「うん」

優太「よくよく考えたら、おれ、アイツに甘えてばっかだったし……」

 海で朱莉と蒼士と遊んでいる音緒を見つめる優太。

優太「アイツを振り回されるのも振り回すのも、幼なじみの特権だし……アイツと一緒なら、これから先もいい思い出がたくさんできる気がする」

楓華「ふーん……」

 楓華、優太をまじまじと見つめる。
 優太、たじろいで、

優太「な、なんだよ」

楓華「別に。少しは距離が縮まったのかなって」

 優太、顔を赤らめて、

優太「そ、そんなんじゃねーよ」

音緒(声のみ)「おーい、楓ちゃん、優太ーっ!」

 優太と楓華、音緒がいる方へと見やる。

音緒「ビーチバレーやろーよ!」

優太「いいぜ、ネッチー」

 音緒、不満そうに、

音緒「ネッチーじゃなーい!」

 優太、起き上がり、音緒たちのもとへと走っていく。
 楓華、嬉しそうに、

楓華「ふふ」

 楓華、立ち上がり、音緒たちのもとへと向かう。


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