新・永山あゆむの小さな工房 タイトル

永山あゆむの小説・シナリオ創作ホームページです。

Epilogue
<登場人物>


・麻倉音緒(17)あさくらねお。主人公。同好会バンド『moment's』のリーダー。女性。高校二年生。

・小倉優太(17)おぐらゆうた。音緒の幼なじみでクラスメイト。男性。高校二年生。
・舞永朱莉(17)まいながあかり。音緒の友人。女性。高校二年生。
七瀬楓華(17)ななせふうか。音緒の友人。女性。高校二年生。
・竹下実緒(16)たけしたみお。音緒の友人でクラスメイト。女性。高校二年生。
・仲須蒼士(17)なかすそうし。朱莉の彼氏(?)。男性。高校二年生。
・長里みちる(16)ながさとみちる。音緒の友人。同好会バンド『moment's』ギター担当。女性。高校二年生。
・野上健斗(16)のがみけんと。音緒とみちるの部活の後輩。同好会バンド『moment's』ドラム担当。男性。高校一年生。
・伊藤巧(16)いとうたくみ。音緒とみちるの部活の後輩。同好会バンド『moment's』ベース担当。男性。高校一年生。





○高校 プレハブ小屋(二月末:夜)

 学年・性別問わず、たくさんの生徒がプレハブ小屋に集まっている。
 奥の方にはステージが作られており、マイクスタンド、エレキギター、ベース、ドラムが用意されている。

 【SE】扉を開ける音。

 入口付近に、優太がいる。
 優太、呆然としたような声音で、

優太「めっちゃ集まってる……」

楓華「小倉君」

優太「あ、七瀬! それと、竹下さん」

 椅子に座っている楓華が手を挙げている。楓華の隣には実緒が座っている。
 楓華たちのところへ向かう優太。

優太「二人とも来てたんだ」

楓華「いつもだけどね。NFGは強制参加よ」

優太「え、NFG?」

 唖然とする優太。
 楓華、素知らぬ顔で、

楓華「音緒フレンズグループ」

実緒「人が誰も来なかったらって、いつも心配しているから」

優太「つまり、サクラ要員かよ……」

 苦笑を浮かべる優太。

楓華「まあ、それもあるけど、やっぱり、音緒ちゃんの歌声は聴きたいから」

実緒「うん。私も」

優太「そっか」

 優太、楓華の隣にある椅子に座る。
 優太、辺りを見回し、

優太「舞永はいないのか?」

楓華「サポート。スタッフもみんな演劇部員。仲須君もね」

実緒「今頃、一緒にいるんじゃないかな」

優太「ふうん」

 優太、奥にあるステージを見つめる

優太「これが、あいつのステージ……」

 楓華、ステージを見つめる優太の横顔を見つめる。




○高校 プレハブ小屋前(夜)

 自分たちが入る扉を少し開けて、小屋の中をこっそり見ている健斗と巧。

 【SE】風の音。

音緒「ううーさむいーっ!」

みちる「この季節に外で待機するにはこたえるな……」

 【SE】扉を閉める音。

健斗「でも、その寒さもすぐ吹き飛ぶっスよ」

 扉を閉め、音緒とみちるの前に来る健斗と巧。
 巧、緊張しているような声音で、

巧「た、たくさん、き、来て、い、いますから……」

みちる「おっ」

音緒「ほんと?」

健斗「うっス。ついでに、音緒先輩がお待ちかねの人もいますよー」

 からかうように伝える健斗。

 【SE】顔が一気に赤くなる音。

音緒「……っ!」
   
 みちる、驚いて、

みちる「うわっ! 音緒、顔真っ赤! 大丈夫?」

 音緒、緊張して声が裏返り、

音緒「だだだだ、大丈夫よ。こんの音緒様がプレッシャーなんかに、ままま、負けるはずなんてないんですから!」

みちる「いや、めっちゃ動揺してるでしょうが……」

健斗「こんなんじゃあ、巧がもう一人いるようなもんっスよ! そんなんで新曲、歌えるんっスか?」

音緒「ううー……」

みちる「確かに。あのツンデレな歌詞、音緒そのものだもんな」

音緒「み、みっちぃまで……」

健斗「こんな顔じゃあ、恥ずかしくって立てないっスもんね。というわけで、代わりにオレの美声で新曲を……」

 みちる、引いたような声で、

みちる「いや、それはない」

巧「同じく……」

健斗「なんっスか、二人してー!」

みちる「アンタが新曲歌ったら、あっというまに閑古鳥よ」

巧「かごの中の鳥、だな……」

健斗「巧までひどいこというなよ――――っ!! このチョコオタクがあああ――――っ!」

 泣き出しそうな声で、巧の肩を揺らす健斗。

巧「や、やめてくれぇ――――――っ!!」

みちる「……ってなるよ、音緒」

 健斗、巧の肩を揺らすのを止め、

健斗「後戻りはなしっスよ!」

 不敵な笑みを浮かべる健斗。
 音緒、強気で、

音緒「わかってるわよ。あー、やってやりましょうとも! こうなったら当たって砕けてみせるわよ!」

 笑みを浮かべる、みちる、巧。
 音緒も笑みを浮かべる。

朱莉「みんなー」

 朱莉と仲須が来る。

音緒「出たな、恋愛盗見者(とうししゃ)ども!」

 朱莉に対して構えのポーズをする音緒。

朱莉「ちょっと! 人を犯罪者みたいにしないでよ。ねー、そうちゃん」

 蒼士、メガネのフリッジを上げ、不満そうに。

蒼士「まったくだ。(小声で)……少なくとも、僕は不可抗力だ……」

音緒「仲須も同罪よ! もう、ほんと、ありえないんだから」

 音緒、拗ねる。

みちる「はいはい。これ以上脱線するとみんなが寝ちゃうよ。リーダー、いつものやるよ」

 音緒、不満そうに、

音緒「むー、わかったわよー。健斗、タッくん!」

健斗「うっス!」

巧「……はい」

 音緒、みちる、健斗、巧、円陣を作り、手を重ねる。

音緒「今月もいいライブにするわよ! いくよ! 一瞬の光をつかむのは――――……っ」

 四人は勢いよく空に向かって手を挙げ、

音緒・みちる・健斗・巧「モーーメーーンツ!!!!」




○高校 プレハブ小屋(夜)

 【SE】扉を開ける音。
 ステージへ入ってくる音緒、みちる、健斗、巧。

実緒「あ、音緒ちゃん!」

 【SE】学生たちの歓声。

優太「……すげ……」

 辺りを見回し、とまどう優太。
 楓華、メガネのフリッジを上げ、

楓華「しっかり焼き付けてね」

優太「ん?」

楓華「音緒ちゃんの勇姿」

 【SE】学生たちの歓声。

 優太、ステージの中心に立っている音緒を見つめる。
 音緒、マイクの前で、

音緒「こんばんは――――。 moment's(モーメンツ)です! 毎月一回の定期ライブ、来てくれてありがと―――――っ!」

 【SE】学生たちの歓声。

音緒「二月ということで、女子のみんな、バレンタイン、チョコ渡せたかなーーーー?」
   
 【SE】女子学生たちの歓声。

実緒「渡せたよーーーっ!」

音緒「男子諸君の態度に、みんなやきもきしちゃったんじゃないかなー。今日はそんな女子たちの気持ちを代弁する、新曲を作ってきたよ―――――っ!」

優太「し、新曲……」

 息を飲む優太。

楓華「なんで小倉君が緊張しているの?」

優太「い、いやあ、ちょっと」

 優太、小声で、

優太「いきなりかよ……」

 ステージの方を見つめる優太。
 優太を見つける音緒。
 音緒、深呼吸して、

音緒「男ども――――! 女子はねー、アンタたちへの気持ちを込めて、一生懸命、愛の形を探しているんだよ! あんたたちと気持ちをつなぐ結晶をね! あたしたちの努力を少しは認めなさいっての! 女子たちの気持ち、しっかり受け止めなさいよね!」

 【SE】男子学生たちの歓声。

 音緒、顔を後ろに向け、みちる、巧、頭にバンダナを巻いている健斗を見つめ、頷く。
 頷き返す、みちる、巧、健斗。
 音緒、学生たちの方へ顔を向け、

音緒「聞いてください。新曲、Strawberry Heart!」

 【SE】学生たちの歓声。
 【BGM】Strawberry Heart







〈moonlight-Special Edition-ツンツン乙女のチョコレート奮闘記 了〉



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