新・永山あゆむの小さな工房 タイトル

永山あゆむの小説・シナリオ創作ホームページです。

Scene2
<登場人物>


・麻倉音緒(17)あさくらねお。主人公。同好会バンド『moment's』のリーダー。女性。高校二年生。

・麻倉直美(45)あさくらなおみ。音緒の母親。女性。





○音緒の家1F 階段(翌日:朝)

音緒「うわあああー遅刻するーっ!」

 音緒、慌てて階段を駆け下りる。
 学校の制服を着ている。



○音緒の家1F キッチン(朝)

 音緒の母――麻倉直美(45)がキッチンで食器を洗っている。

 【SE】水を流している音。

 テーブルには、パンと目玉焼きを乗せたお皿が置いてある。

直美「おはよー」

音緒「おはよっ!」

 音緒、慌てて冷蔵庫の方へと向かい、冷凍庫を開ける

 【SE】冷凍庫を開ける音。

 音緒、チョコレートを取り出す。

音緒「よし、固まってる!」

 【SE】冷凍庫を閉める音。

音緒「よし、あとはあかりんに教えられたように、箱に入れて包装紙を」

 音緒、チョコレートを箱に入れて包装紙に包む。

 【SE】チョコレートを包装紙に包む音。
 【SE】蛇口を閉める音。

 食器の片づけを終えた直美、チョコレートを包装紙に包んでいる音緒を見て驚きながら、

直美「珍しいわね。誰かにあげるの?」

音緒「うん、ちょっとね」

直美「優太君にあげちゃうの?」

音緒「っ!」

 音緒、直美の方を見て、

音緒「ち・が・う!」

直美「そうなの?」

音緒「そう。バンドのメンバーどもに渡すの。あんなテニスバカ、そう簡単に渡さないんだから」

直美「でも、ひとつだけ色が違うじゃない」

音緒「これは色が売り切れたから。と、とにかく早くしなきゃ、遅刻しちゃう。お母さんは黙ってて」

直美「ふふ、青春してるわねー」

 食器の片づけをはじめる直美。
 必死にチョコレートの入った箱を包装紙に包む音緒。

音緒「よし、でき……あっ!」

 手が滑り、落としてしまう音緒。

 【SE】チョコレートが入っている箱を床に落としてしまう音。

音緒「ああーやっちゃたー、大丈夫、よね……うん、大丈夫」

 鞄の中にチョコレートの入った箱を入れる音緒。

 【SE】鞄にものを入れる音。
 【SE】鞄のファスナーを閉める音。

音緒「行ってきます」

 急いで、玄関の方へと向かう音緒。

 【SE】走る音。

 直美、食器を片づけながら、

直美「ちょっと音緒、朝ご飯は?」

音緒「いらない!」

直美「もう」

 直美、食器をおいて玄関へと向かう。



○音緒の家1F 玄関(朝)

 音緒、靴を履きながら、

音緒「お母さん、冷凍庫にチョコレート、入れているから。お父さんとお兄ちゃんのも」

直美「ほんと!? うれしいけど、ちゃんと食べることはできるの?」

音緒「失礼ね! ちゃんと食べれるわよ! それじゃあね!」

 音緒、立ち上がる。

 【SE】玄関の扉を開ける音。

直美「いってらっしゃい」


 【SE】玄関の扉を閉める音。



○優太の家の前 (朝)

 自転車を押す音緒。
 かごの中には鞄が入っている。
 隣にある優太の家を見つめる音緒。

音緒「自転車はない、か。今日もアイツ朝練かな……と、とにかく、早くいかないと!」

 音緒、自転車に乗り、学校へと向かう。

 【SE】自転車の音。




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