新・永山あゆむの小さな工房 タイトル

永山あゆむの小説・シナリオ創作ホームページです。

Scene6
<登場人物>


・麻倉音緒(17)あさくらねお。主人公。同好会バンド『moment's』のリーダー。女性。高校二年生。

・小倉優太(17)おぐらゆうた。音緒の幼なじみでクラスメイト。男性。高校二年生。
・竹下実緒(16)たけしたみお。音緒の友人でクラスメイト。女性。高校二年生。





○高校 学生棟2F 二年一組(放課後)

 【SE】チャイムの音。

男子学生「気をつけ、礼」

学生たち「さようなら」

 学生たちの喧騒の中、音緒、席に座っている。
 音緒、ひと息つき、

音緒「いよいよかー」

優太「いよいよってなにがだよ」

音緒「っ!」

 音緒、突然話しかけてくる優太に驚きながら、

音緒「べっ、別に、何もないわよ」

優太「ふーん……」

 優太、鞄に教科書を入れながら、

優太「おまえさ、もしかしてだけど、チョコ持ってきているのか?」

音緒「なによ急に。なんでそうなるわけ?」

優太「今日、バレンタインだろ」

音緒「……へぇー」

 驚いて、目を見張る音緒。

優太「な、なんだよ、その態度」

音緒「いや、イベントに興味のないアンタが覚えているなんて珍しいなーって」

優太「七瀬から教えてもらったんだよ。それに、昼休みに友達がチョコもらってたしな」

音緒「あ、そういうこと」

優太「でもまっ、おまえはチョコ持ってくガラじゃないだろ。料理苦手だし」

 音緒、不満そうに、

音緒「悪かったわね。そうよ。アンタにあげるチョコなんてこれっぽっちもありませんよーだ」

優太「へいへい。そんじゃ、部活でもいきますかねっと」

 【SE】席から立ち上がる音。

優太「じゃあなー」

音緒「優勝目指してせいぜい頑張りなさいよー」

優太「あー!」

 鞄を持って教室から出ていく優太。

 【SE】教室の扉を開ける音。
 
 音緒、小声でふてくされたように、

音緒「ばか……」

実緒「音緒ちゃん」

 実緒が音緒の席の前に。

音緒「ああ、実緒、お疲れー」

実緒「ふふ、仲いいね」

音緒「別にそんなんじゃないわよ。くされ縁だからよ」

実緒「でも、なんで嘘ついたの?」

音緒「嘘なんてついてないわよ。本当のことなんだから。実緒はこれから渡すの?」

実緒「うん。たくさんあるから鞄がパンパンだよ」

音緒「そっか。喜んでくれるといいね」

実緒「うん、音緒ちゃんも」

音緒「わたしはガラにもないことやってるからなー」

実緒「大丈夫だよ。気持ちがこもっているんだから。自信もって」

音緒「うん。そうね。そうしないと、何も始まらないよね。よし」

 【SE】席から立ち上がる音。

音緒「わたし行ってくる」

実緒「うん、行ってらっしゃい」

 【SE】歩く音。

 【SE】教室の扉を開ける音。



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