新・永山あゆむの小さな工房 タイトル

永山あゆむの小説・シナリオ創作ホームページです。

Scene8-1
<登場人物>


・長里みちる(16)ながさとみちる。音緒の友人。同好会バンド『moment's』ギター担当。女性。高校二年生。
・野上健斗(16)のがみけんと。音緒とみちるの部活の後輩。同好会バンド『moment's』ドラム担当。男性。高校一年生。
・伊藤巧(16)いとうたくみ。音緒とみちるの部活の後輩。同好会バンド『moment's』ベース担当。男性。高校一年生。
・舞永朱莉(17)まいながあかり。音緒の友人。女性。高校二年生。




○高校 プレハブ前(夜)

 【SE】歩く音。
 【SE】風が吹く音。

健斗「うう……身に染みる寒さッスねー」

みちる「このくらいの寒さでこたえたら、北海道には行けないぜ」

健斗「みっちぃ先輩はなんともないんスか?」

みちる「あたしは家で毎日鍛えているからねー。うちの道場で、寒さに強い体に鍛えてもらったほうがいんじゃないの?」

健斗「い、いえ、遠慮しておくっス……」

巧「……行けばいいのに」

健斗「うっせえ、モテ男!」

みちる「はいはい、プレハブに着いたよ」

 みちる、校舎の裏にあるプレハブの戸を開ける。

 【SE】戸を開ける音。

 そこには朱莉たちをはじめとした、演劇部の女子部員たちがいる。

みちる「失礼。あかりー」

朱莉「みっちゃん。おつかれー」

 朱莉、みちるのところへ向かう。

 【SE】床を歩く音。

みちる「お疲れ。もう入れる?」

朱莉「うん。みんな着替えているよ」

みちる「オッケー。(健斗と巧に向かって)入ってもいいってさ」

健斗「うっス」

巧「はい」

 【SE】靴を脱ぐ音。
 【SE】プレハブの中を歩く音。




○高校 プレハブ小屋(夜)

 三人を見つめる朱莉。

朱莉「あれ、音緒は?」

みちる「なんか用事があるってさ。またひとりでやらかさなければいいけど」

朱莉「ふうん、用事、ね。うふふふ……」

 みちる、怪訝な表情で、

みちる「なに、その気味悪い声」

朱莉「いやいや、ちょっとね。やっぱりアイツのことが。うふふふふふ」

みちる「だからやめなよ、それ。何? 朱莉は、音緒がどこにいるのか分かんの?」

 朱莉、自信満々に、

朱莉「ええ! ネオがなんで手作りチョコレートを作ろうとしたこともね。うふふふふ……」

みちる「なんで朱莉が手作りチョコのこと知ってんのさ」

朱莉 「一緒に作ったんだもん。みっちゃんたちはもらったの?」

みちる「ああ、もらったよ。すっごい照れくさそうに」

健斗 「うっス。音緒先輩なのにおいしかったっス」

巧「……健斗、余計」

健斗「だって先輩がいない今しか言えねーじゃん」

朱莉「そう。じゃあー、ネオはどんな風に図書室から出た?」

巧「……慌てていましたね」

みちる「ああ。なんか、あたしらに見られたくないような」

健斗「逃げるように去ったスね」

 朱莉、嬉しそうに、

朱莉「な・る・ほ・どぉ」

みちる「なによ、今度は嬉しそうにして。こういう時の朱莉、音緒以上の危険人物なんだから」

朱莉「音緒と同じことを言わないの。でも、これで分かったわ」

健斗 「先輩は、何をしようとしてるんスか?」

朱莉「ふっふっふっ……鈍感なキミたちに教えてあげよう。真実はいつもひとつ!」

みちる「名探偵にでもなったつもり?」

 朱莉、自信を持って、

朱莉「それはね……ズバリ、恋よっっっ!」

みちる「こ」

健斗「こ」

巧「……こ?」

みちる・健斗・巧「「「こいいいい―――っ!?」」」


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