新・永山あゆむの小さな工房 タイトル

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序章:希望となるために
第6話:求める者(1)
<登場人物>

エイジ・ハセガワ(18)(14)男性。主人公。国際特秘遂行警備組織“影星(エクリプス)”団員。
エミリー・ミチヅキ(18)(14)女性。ヒロイン。アイドル歌手。通称エミー。
ブリーゼ・オイサキ(28)女性。国際特秘遂行警備組織“影星”ミザール支部副支団長。
フリッツ・エダサワ(33)男性。国際特秘遂行警備組織“影星”ミザール支部支団長。
メルヴィン・シバサキ(32)男性。国際特秘遂行警備組織“影星”ミザール支部治療班班長

団員A
謎の声・女性A
謎の声・女性B
奪心(シェル)A
奪心(シェル)B




〇ミザール国 国際特秘遂行警備組織“影星(エクリプス)”ミザール支部 支部長室

 部屋全体が赤く点滅する支部長室(施設内全体が赤く点滅している)。
 部屋全体がモヤに包まれている。
 天井からはアナウンスの声が。

アナウンス(声のみ)「緊急事態、緊急事態! 未確認物体侵入! 未確認物体侵入! 直ちに掃討せよ! 繰り返す! 未確認物体侵入! 直ちに掃討せよ!」

 エイジ・ハセガワ(18)、エミリー・ミチヅキ(18)、ブリーゼ・オイサキ(28)、フリッツ・エダサワ(33)、メルヴィン・シバサキ(32)の目の前に、地面を這いつくばる人の形をした、闇子(サタン)から生まれた魔物――巨大な奪心(シェル)がいる。

エイジ・エミリー「!」

 エミリー、エイジの左腕を掴んでいる。

ブリーゼ「奪心(シェル)!」

 奪心(シェル)、目の前にいるエイジたちを見下ろす。

メルヴィン「……マジかよ……でけぇな……」

 奪心(シェル)を見上げ、後ずさりをするメルヴィン。
 エイジ、奪心(シェル)を見上げたまま、

エイジ「こいつは、あのときの……」

 フラワードームで奪心(シェル)たちが現れたときのことが脳裏に浮かぶエイジ。
 ブリーゼ、力強く左手に装備しているステルラグローブの甲の部分にある緑色に輝く鉱石を押す。

ブリーゼ「光子解放(マナ・グリッター)!!」

 ブリーゼの靴が緑色に輝く。

ブリーゼ「裂砕刃(れっさいじん)!」

 ブリーゼ、勢いよく右足を蹴り上げて、緑色の真空刃を発生させる。

 緑色の真空刃が奪心(シェル)に直撃する。

奪心(シェル)A「グワアアアアアアッ!」

 奪心(シェル)、幾千の紫の粒子――闇子(サタン)の粒子となって四散する。

エイジ「なんでこいつがここに……?」

ブリーゼ「詮索はあとよ。フリッツ!」

 ブリーゼ、フリッツの方へと顔を向ける。
 フリッツ、頷き、

フリッツ「ああ。みんな、急いでここから出るぞ! エイジ!」

エイジ「は、はい」

 フリッツ、エミリーを一瞥し、エイジに顔を向け、

フリッツ「エミリーの護衛はおまえがやれ」

エミリー「!?」

エイジ「お、俺がですか!?」

 慄くエイジ。

フリッツ「他に誰がいるんだ。この子を守ってやるのはおまえだろ?」

 隣にいるエミリーを一瞥するエイジ。
 エイジ、緊張感のある真剣な表情で、

エイジ「……わかりました」

フリッツ「うっし!じゃあ、行くぞ」

 支部長室から急いで出ていくフリッツ、メルヴィン、ブリーゼ

 エミリー、立ち尽くしているエイジの左腕を軽く引っ張り、優しい口調で、

エミリー「エイジ」

エイジ「あ、ああ。ごめん。行こう、エミー」

 フリッツたちの後を追いかけるフリッツ、エミリー。



〇ミザール国 国際特秘遂行警備組織“影星(エクリプス)”ミザール支部 廊下

 支部長室を出て、フリッツたちを追いかけるエイジとエミリー。

 フリッツたちに追いつくが、

エイジ「これは……!」

 奪心(シェル)たちが行く手を阻んでいることに息を呑むエイジ。

メルヴィン、呆れたような態度で、

メルヴィン「はぁ、めんどくせぇな……」

エイジ「なあ、こいつら、奪心(シェル)って一体何なんだよ」

ブリーゼ「奪心(シェル)は、闇子(サタン)の粒子が集まってできた、魂の抜け殻みたいなものよ。でも」

フリッツ「……ああ。こんなにうじゃうじゃ出てくんのは想定外だ。本来なら、闇子(サタン)が濃い場所でしか現れないし、この辺りは闇子(サタン)が溢れている場所はないはずだ」

エイジ「じゃあ、このモヤはフラワードームのときのように、人為的(じんいてき)に……?」

ブリーゼ「確証はもてないけどね。まあ、このモヤが闇子(サタン)を撒布(さっぷ)しているのは間違いないけど。とりあえず今は抜け出さないと……フン!」

 ブリーゼ、右足から裂砕刃(れっさいじん)を繰り出し、緑色の真空刃で奪心(シェル)を倒す。

 闇子(サタン)の粒子となって四散する奪心(シェル)。
 フリッツ、後ろにいるエイジに、

フリッツ「エイジ! おまえも応戦しろ」

エイジ「は、はい!」

 エイジ、力強く左手に装備しているステルラグローブの甲の部分にある朱くに輝く鉱石を押す。

エイジ「光子解放(マナ・グリッター)!」

 エイジの右手に、光子(マナ)の力で生まれた剣――フランベルジュが握られる。

エイジ「らああああっ!」

 エイジ、奪心(シェル)に向かって勢いよくジャンプし、縦斬りで一刀両断にする。

 闇子(サタン)の粒子となって四散する奪心(シェル)。

エイジ「ふう……」

 一息つくエイジ。
 しかし、奪心(シェル)がどんどん出てくる。

エミリー「ひいっ!」

 悲鳴をあげるエミリー。
 エミリーの隣にいるメルヴィン、頭をポリポリかきながら、

メルヴィン「おいおい、これじゃあラチがないぜ」

フリッツ「……ったく、しゃーねーなー」

 フリッツ、エイジとブリーゼの前に立つ。

フリッツ「ここはオレがやってやる。光子解放(マナ・グリッター)!」

 フリッツ、左手に装備しているステルラグローブの甲の部分にある朱くに輝く鉱石を押し、紅く煌めく片手剣を右手に握る。

 フリッツ、剣を両手で持ち、それを頭の上に掲げ、目を閉じる。

 数秒間を置き、目を開けた瞬間、

フリッツ「はあああっ! 壁炎衝(へきえんしょう)!」

 剣を床に叩きつけた瞬間、フロアの高さの真ん中を占めるほどの炎の壁が奪心(シェル)たちに向かって、地を這っていく。

 奪心(シェル)は次々と消滅し、エイジたちの視線の先には、次のフロアに進む扉が見える。

 フリッツ、得意気に、

フリッツ「ふっ、こんくらい朝飯前……」

ブリーゼ「さっさと行くわよ!」

 ブリーゼを筆頭にエイジ、エミリー、メルヴィンの順に奥にある扉へと急ぐ。

 フリッツ、焦って、

フリッツ「お、おいっ! 無視かよ! す、少しはキメさせろよ――――っ!」

 フリッツ、慌ててエイジたちの後を追いかける。



〇ミザール国 国際特秘遂行警備組織“影星(エクリプス)” ミザール支部 廊下 T字路前

 扉を開け、赤く点滅する廊下を進むエイジたち。
 すると、T字路に差し掛かる。
 右にも左にも奪心(シェル)たちがうようよと徘徊している。

ブリーゼ「二手に分かれて助け出すしかないわね」

フリッツ「ああ。エイジたちと一緒に頼めるか?」

ブリーゼ「当然」

フリッツ「頼むぞ。……エイジ!」

 後ろにいるエイジを呼ぶフリッツ。

エイジ「はい!」

フリッツ「こっからは二手に分かれて行動する。奪心(シェル)に襲われている団員達の安全を確保しつつ、施設内を脱出しろ。オレとメルは左手に、おまえはエミリーを連れて、ブリーゼと一緒に右手に行ってくれ。この施設内で奪心(あいつら)と戦えるのはオレたち4人だけだ。頼むぞ」

エイジ「わかりました」

エミリー「え? 4人って、メルヴィンさん……」

 メルヴィン、面倒くさそうに、
メルヴィン「ああ。かったりぃけどな」

 メルヴィン、両手の関節を鳴らして、左の袖をまくる。

 左手に装着しているステルラグローブが見え、右手でグローブの甲の部分にある青く光る鉱石を押すと、水のように透明感のある青い弓が現れる。

メルヴィン「と、いうわけだ。この弓は引く動作をすりゃあ、水の力を含んだ光子(マナ)が矢にかわって発射する仕組みだ。このようにな」

 メルヴィン、左側にいる奪心(シェル)に狙いを定めて弓を引く動作をする。

 メルヴィンの右手に、青く光る矢が現れる。

 発射すると、矢が渦を巻くように奪心(シェル)に向かって飛んでいき、命中した瞬間、闇子(サタン)の粒子となって四散する。

メルヴィン「まっ、心配ご無用ってことだ」

フリッツ「腕は鈍ってねぇようだな」

 フリッツ、メルヴィンの左肩を叩く。

フリッツ「よし、みんな頼むぞ!」

 エイジ、頷く。
 ブリーゼ、左側の通路を見ながら戦闘態勢になる。
 メルヴィン、弓を持ったまま右側の通路を見つめる。
 エミリー、左側の通路を見ながら走る姿勢になる。
 フリッツ、右側の通路を見つめ、笑みをこぼし、

フリッツ「行動開始(ミッションスタート!)」

 フリッツとメルヴィンは左側の通路へ、エイジ、エミリー、ブリーゼは右側の通路へと走っていく。



〇ミザール国 国際特秘遂行警備組織“影星(エクリプス)” ミザール支部 廊下 

 廊下を走っていくエイジ、エミリー、ブリーゼ。
 すると、4体の奪心(シェル)たちがその行く手を阻む。

エイジ「ったく、一体何匹いるんだよ!」
ブリーゼ「来るわよ! 避けなさい!」

 奪心(シェル)、エイジたちに向かって右手を伸ばし床をたたきつける。

エイジ「うおっと!」
エミリー「わぁっ!」

 走りながら全身を右側に傾けて避けるエイジとエミリー、ブリーゼは飛び上がる。

 ブリーゼ、全身をひねり、緑色のオーラ――風を纏い、右足を伸ばして4体いる奪心(シェル)たちの中心に向かって、

ブリーゼ「吹き飛べ! 烈風震(れっぷうしん)!」

 ブリーゼが着地した瞬間、風が巻き起こり、4体の奪心(シェル)が吹き飛び、闇子(サタン)の粒子へと還る。

ブリーゼ「!」

 ブリーゼ、前方からくる奪心(シェル)の手に気づき、後方へとジャンプする。

 奪心(シェル)の手が床に叩きつける。その場所の床に、ヒビが生えている。

 前方に二体の奪心(シェル)が現れる。

 後方に下がるブリーゼ、後方にジャンプしながら、後ろにいるエイジを一瞥し、

ブリーゼ「頼むわよ、新人!」
エイジ「ああ!」

 エイジ、奪心(シェル)に向かって走る。
 エミリー、憂(うれ)いな表情でエイジの背中を見つめ、心の中で、

エミリー「エイジ……!」
エイジ「うおおおおっ!」

 手を叩きつけて体勢が整わない奪心(シェル)に向かって、左わき腹から右に向かって薙ぎ払うエイジ。

奪心(シェル)B「ギィアアアアアア!」

 奪心(シェル)、悲鳴を挙げ、闇子(サタン)の粒子となって四散する。

エイジ「よし!」
ブリーゼ「油断しないで!」
エイジ「えっ?」

 後ろから聞こえるブリーゼの声に反応するエイジ。
 もう一体の奪心(シェル)がエイジに向かって、右手で払い攻撃をする。

エイジ「うおおっと!」

 エイジ、当たる寸前のところでしゃがんで躱(かわ)す。

ブリーゼ「今よ!」

 エイジ、小さく跳躍し、

エイジ「くらえ! 衝火(しょうか)!」

 エイジ、剣を床に叩きつける。その衝撃から発生した朱い剣戟(けんげき)が奪心(シェル)を貫く。

 闇子(サタン)の粒子となって四散する奪心(シェル)。

エイジ「ふう……」

 額の汗を拭うエイジ。

 エミリー、エイジの右側に立ち、

エミリー「エイジ、お疲れ様」

エイジ「ああ」

 ブリーゼ、エイジの左肩に手をのせ、

ブリーゼ「ふう、と言いたいのはこっちよ。ハラハラさせるわね。まあいいわ、早く団員たち(みんな)を助けるわよ」

エイジ「了解!」

 再び廊下を駆け抜けるエイジたち。

団員A(女性)「キャアアアア!」

 女性の悲鳴が聞こえ、反応する二人。

エイジ「今の声……!」
ブリーゼ「急ぐわよ!」

 途中、所々にある部屋を片っ端から入り、奪心(シェル)の被害を受けている団員達を助けるエイジたち。

 エミリー、奪心(シェル)の攻撃を受けた団員を献身的に支える。

 部屋に入って奪心(シェル)たちを足技で倒すブリーゼ、剣で奪心(シェル)を薙ぎ払うエイジ。

 助け出した団員たちを引き連れて外へと目指すエイジたち。

エイジ「これで全員?」
ブリーゼ「ええ。外へ出るわよ」

 各部屋の団員達を引き連れ、外へと出ていくエイジたち。



〇ミザール国 国際特秘遂行警備組織“影星(エクリプス)” ミザール支部 入口

 団員達を引き連れて施設の外へと出たエイジたち。
 周りはうっそうとした木々に囲まれている。

ブリーゼ「とりあえず脱出できたわね」
エイジ「ああ。後はフリッツさんたちの連絡を待つ……」
謎の声・女性A「それはどうかな?」
エイジ「え?」

 どこからともなく声が聞こえる女性の声に、慄(おのの)くエイジ。

謎の声・女性B「キャハハハハ。パーティーはこれからだよぉー。もっと楽しもうよぉー!」

ブリーゼ「くっ……!」

ブリーゼ、眉間にしわ寄せ、歯を強く噛みしめて身構える。

エイジ「どこにいるんだ……」

周囲を見回すエイジ。

施設の周囲にある木々たちが、風で靡(なび)く。

エイジの左わき腹をつかみ、彼にくっついて息を呑むエミリー。

謎の声・女性A「見せてもらおうか。おまえたちが使う光子(マナ)の力を!」

エイジ・ブリーゼ・エミリー「!」

 エイジたちの目の前に突然、濃い紫色の円陣が現れ、そこから藍色のぶよぶよした物体――スライムが現れる。


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